スーツ・紳士服のすべて

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ちょっとだけ語れるネクタイにまつわる小ネタ・雑学 ~ネクタイの歴史~

こんにちは、大分です。

 

 

紳士服はその歴史の長さから、うんちくを語れるところも自分は好きです。

 

今回とあと何度か、ネクタイについての小ネタを紹介したいと思います。

 

一見価値のないような雑学が着こなしにも活きてきますので、暇つぶしにどうぞ。

 

 

ネクタイの歴史 クラヴァットからフォー・イン・ハンド

 

 

ネクタイについての雑学を紹介する前に、今回は歴史を振り返りましょう。

 

紳士服と言えばイギリスを思い浮かべる方は多いと思いますが、

ネクタイの直接のルーツと言われるものは17世紀のフランスで誕生しました。

 

それが、クラヴァット(cravate)です。

 

フランスでは今でもネクタイのことをクラヴァットと言いますが、

当時のクラヴァットはスカーフのように使う布でした。

 

この首に巻く布クラヴァット誕生のきっかけは、

ある勘違いによるものという逸話が有名です。

 

勘違いをしたのは、当時の国王であるルイ13世でした。

 

ある時ルイ13世は彼のもとを訪れていたクロアチア兵の首元の布が気になりました。

そこで近くにいた家臣に、「あれはなんだ?」と尋ねました。

尋ねられた家臣は、王にどこの国の兵士か聞かれていると思いました。

そこで家臣は、「クラヴァットです。」と答えました。

しかし、家臣はクロアチアを意味する「クロアト」を言い間違えて、

「クラヴァットです。」と王に答えてしまっていたのです。

 

しかし、ルイ13世は「なるほど、クラヴァットか。」と納得してしまいます。

こんな二人の勘違いから、フランスでは首に巻く布をクラヴァットと呼ぶようになったと言われています。

 

こうして偶然から生まれたクラヴァットは、時を経てイギリスへ渡ります。

そして19世紀後半に、現在のネクタイの結び方の基本が誕生します。

 

それが、フォー・イン・ハンド(four in hand)です。

 

このフォー・イン・ハンド、現在の日本ではプレーン・ノットとして知られています。

 

このフォー・イン・ハンドの起源は諸説ありますが、

最近では、19世紀にロンドンンに実在した同盟の社交クラブ「Four-in-Hand」のメンバーが広めたという説が有力です。

 

この「Four-in-Hand」という言葉には、4頭の馬を使う馬車という意味もあります。

このことから、馬を操る際にスカーフ状のクラヴァットが邪魔になり、小さく結んだことが起源ではないかという説もあるようです。

 

また、このころボウタイ(蝶ネクタイ)やアスコットタイも誕生しました。

前者はその後夜の礼装に、後者は昼の礼装になっていきます。

 

ちょうど19世紀のこの頃は、クラヴァットの結び方に特に決まりはなく、

それゆえに多様な結び方が生まれ、様々なネックウェアへと繋がっていきました。

 

そしていよいよ、ネクタイの誕生です。

 

 

最終的に現在のネクタイの形を原型を作り上げたのは、アメリカ人でした。

1920年代にJesse Langsdorfというニューヨークのネクタイ職人が、

ネクタイを角度をつけてカットした3つのパーツから作り上げることを考案しました。

 

その後も幅や長さなど色々と流行はありましたが、

そのあたりはまた別の機会にしましょう。

 

 

こうして歴史を振り返ると、

もともとネクタイはスカーフのようなボリュームのあるものであることがわかります。

 

現在の私たちがネクタイやVゾーンにボリュームを求めるのは、

ある意味原点回帰なのかもしれませんね。

 

 

 

以前紹介した、胸元にボリュームを出すためのネクタイ結びのコツです。

よかったら参考にしてみてください。

 

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